【絵描きと断捨離】捨てる?残す?絵描きの部屋で増えがちなモノの判断基準を考えてみた

前回は「絵描きの私がモノを減らして感じた変化」として、断捨離が創作活動にもたらす劇的なメリットを紹介しました。

しかし、メリットはわかっていても、いざ片付けを始めると「これは高かったし……」「いつか使うかも……」と手が止まってしまうのが絵描きの性。

特に画材や教本、思い出の詰まったノートなどは、一般的な片付け本にある「1年使っていないものは捨てる」といった画一的な基準だけでは、なかなか踏ん切りがつかないものです。

そこで今回は実践編として、絵描きの部屋に溜まりがちなモノに特化した、私なりの断捨離基準を詳しく解説します。

判断を迷わせないためのキーワードは、以下の3つの時間軸です。

  • 「今」使うモノ:実用性とワクワク感を最優先する
  • 「未来」で使うかもしれないモノ:「管理コスト」の視点でシビアに見極める
  • 「過去」を記録したモノ:後悔しないための「残し方」を知る

作業部屋の整理で、何から手を付ければいいかわからず固まってしまっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

あなたの創作を支える「本当の精鋭たち」が、埋もれた中から見つかるはずです。

前回の記事はこちら。

目次

「今」の自分を助けてくれないモノは、手放す

整理の基本は、一旦全てのモノを出して広げ、「要(要るか、要らないか)適(ふさわしいか、ふさわしくないか)快(心地よいか、心地よくないか)」を自分の心に問いかけることです。

これらに当てはまるかを意識しながら、モノを選別してください。

  • 要:今それを使っているか、なくてはならない
  • 適:今の自分の身体や環境、技術レベル、作風に合っている
  • 快:それを使って心が満たされるか、使っている自分を好きになれるか

「使えるか、使えないか」で選ぶと、モノは一生減りません。

「使えるけれど、使いたいと思えないモノ」は、潔く手放しましょう。

アナログ画材・デジタルガジェット

絵描きにとって「気付いたら増えているモノ」筆頭。

しかし「実用」に直結するため、判断はしやすいカテゴリーです。

全て1箇所に集めたら、まずは1年以内に使用したモノを取り除きましょう。これは「残すモノ」として迷わないはずです。

1年以上使用していないモノからは、以下の基準で「拾い上げ」てみてください。

  • アナログ画材:手に取って「作りたい作品のビジョン」が浮かぶか?
  • デジタル機器:今のメイン機が故障した際、本当にそれで作業したいか?

これらに当てはまらないモノを手放すべき理由は、3つあります。

① 「ワクワク」しないモノは、今後も使わない

使い心地が合わない画材や、より良い「上位互換品」があるモノ、ブームが去った道具……

もう「使いたい」とは思えないこれらを、後に引っ張り出すことはまずありません。

実際、私は画材の総量を半分に減らしましたが、後悔は今のところゼロです。

②デジタル機器は「型落ち」で価値が下がる

年々進化を続けるデジタル機器は、ある意味アナログ以上に「鮮度」が命です。

数年寝かせればスペック不足になり、売却価格も下がります。

カヴァリエール

「お金がもったいない」と思うなら、価値があるうちに手放すのが一番の節約です。

③使いかけでも、誰かの役に立つ

「高かったから捨てるのはな……」と躊躇するなら、フリマアプリの活用がオススメです。

実は使いかけの画材には、「安く試したい」という層からの一定の需要があります。

参考に、私自身の例をば。実際にメルカリで売れました。

  • コピック85本セット:8000円
  • 水彩色鉛筆50本:1500円
  • パステル&定着スプレーセット:2000円
三千花

負い目を感じながらしまい込むよりも、今それを活用してくれる人の手に渡った方が、モノも自分も幸せになれると思いませんか?

登録時に招待コード「PZRDAM」を入力して、500円分のポイントがもらえます!

デッサン人形・アクションフィギュア

デスクの上で「なんとなくのオブジェ」になっているのなら、見直しのサイン。

特に昔ながらの木製デッサン人形は扱いが難しく、精巧な可動フィギュアや3Dモデルが普及した今、出番は激減しているはずです。

残す基準:

自分の絵柄に合った体型で、資料として現役で使いこなせているモノだけを厳選しましょう。

「いつか使う」は「管理コスト」と天秤にかける

前章の基準で仕分けても、なかなかモノが減らない……

そんな時は、意識が「未来」に向きすぎて、「いつか使うつもり」のモノを残しすぎているのかもしれません。

ここで導入したいのが、「管理コスト」の視点です。

モノを保管するのにも、そのスペース分の「家賃」が毎月かかっています。また、モノが増えるほど掃除やメンテナンスの手間も雪だるま式に増えていきます。

  • 同じ金額を払うなら、その「モノ」と「空間」、どちらにお金を出したいか?
  • 必要となった時、すぐに使える状態で維持し続けられるか?

「残すために払い続けるコスト」を意識すると、未来への不安からモノを溜め込む習慣を断ち切れるようになります。

カヴァリエール

「収納スペース分の家賃」や「掃除や探し物にかける時間分働いた場合の賃金」を、実際に計算してみるのも良いでしょう。

技術書・資料集・画集

絵描きにとって「際限なく持っておきたくなるモノ」の代表格。

しかし、本棚の奥で眠ったまま・部屋の片隅に積まれたまま活用されない資料は、スペースを圧迫するだけの「重石」でしかありません。

ここで有効なのが、保管する「総量の上限」を決めることです。

まずは本棚の容量を決め、中身を一度全て出してください。そしたら、「絶対に必要なモノ」から順に戻していくのがポイントです。

1冊ずつ「捨てるか」を悩むよりも、限られた枠に「何を残すか」を比較しながら選んでいく方が、よりシビアで納得感のある選別ができます。

優先的に残す本の基準
  • 使用頻度が高く、ネットで代用できない情報がある
  • 今の技術レベルや創作の方向性に合致している
  • どうしても紙媒体で手元に置きたいお気に入り

こんな「使っていない本」は手放そう

「情報の賞味期限」が切れた本

特にデジタル技法の本や、流行を強く反映した絵柄の本は要注意。発行から何年も経って、情報が古くなっていませんか?

今の作業環境や好みに合わなくなったなら、それは役目を終えた合図です。

「今の自分」には難しすぎる本

「いつか理解できる時のために」と残しがちですが、今の自分に合わない本は、見る度に無意識のプレッシャー(罪悪感)を与えてきます。

一旦手放して心を軽くし、今の自分を助けてくれる「等身大の一冊」にスペースを譲りましょう。

ガジェットの空箱

「売る時に必要かも」という理由だけでクローゼットを占拠していませんか?

少しばかり高く売れたとしても、そのために数年間「空間」を浪費するのは、実は割に合わないことがほとんどです。

「空箱」を捨てるタイミング
  • すぐに捨てる:売る手間をかけるほどのリセールバリューがないモノ
  • 1ヶ月で捨てる:返品期間が過ぎ、使い続けると決めたモノ
  • 保証終了で捨てる:箱が保証書を兼ねているモノ
カヴァリエール

売る予定が当分ないなら、箱は捨てて「今の快適な空間」を優先するのが合理的です。

「過去」の軌跡は慎重に。手放す前にはデータ化を

ここまで読み進めて「よし、もっと捨てよう!」と勢いづいている方もいるかもしれません。

しかし、そんな時にこそ気を付けてほしい「落とし穴」が存在します。

それは、替えのきかない「過去」のモノを勢いで捨てすぎてしまうことです。

「思い出の品」は手放した時のスッキリ感も大きいですが、同時に後悔のリスクも最大級。

失敗を防ぐための3つのルールを心に留めておいてください。

  • 「今」「未来」の整理を終えてから、最後に着手する
  • 疲れている時や、感情が高ぶっている時に判断しない
  • 現物を処分する際は「データ化」を検討する
三千花

特に絵描きにとって過去の絵は、自分の努力を可視化し、成長を実感する助けとなる「財産」です。

アナログ原画

「過去の自分との比較」のために、描いた作品は下手でも全て残しておこう!というのはよく聞く話。

とはいえモノによっては「実物があるとどうしても落ち着かないから処分したい」と思うこともあるでしょう。黒歴史に身悶えるとか、万が一の時に遺品整理に来た親族に見られたくないとかね……

「今の自分のため」の決断としては、その「捨てる」という選択も間違いではありません。ただし現物を捨てるのであれば、代わりに「デジタルデータ」として残しましょう。

私自身、以前のペンネーム時代の原画はスキャンしてデータ化してから処分しました。現物よりも一歩引いて冷静に見ていられますし、いつでも見返せる安心感があるため、後悔はありません。

【注意!】データは「バックアップ」までがセット

かつて私は、作業データを保存していたUSBメモリを紛失し、数年分の作品が消えてしまったことがあります。

幸い一部は復旧できましたが、失われたままの絵も少なくありません。

データ化して安心するのではなく、別の記録媒体やクラウドストレージなど、必ず2箇所以上での保存を徹底してください。

使用済みのクロッキー帳(※管理人最大の失敗)

断捨離で数多くのモノを手放してきた私が唯一、本気で後悔しているのが「使用済みのクロッキー帳」の処分です。

当時は「ただの練習だし、完成品のデータさえあればいいだろう」と思ってそのまま捨ててしまいました。

しかし、いざ今こうしてブログで「自分の上達過程」や「スランプの脱却法」を分析・解説しようとした時、一番欲しかった「当時のボロボロな練習の記録」がどこにも残っていないのです。

  • 自分の「試行錯誤」は、作品よりも習作に表れる
  • 過去のアイデアスケッチが、今の創作のヒントになることもある
  • 「努力の蓄積」を視覚化できるモノは、自己肯定感の源になる
三千花

何気ない落書きや目を逸らしたいような失敗作すらも、未来のあなたにとっては貴重な「人生の記録」かもしれませんよ。

大量の練習帳、どうしても捨てたい時のアイデア

「それでも、何十冊もあって場所がない!」という場合は、全てを捨てるのではなく「ダイジェスト化」して残しましょう。

  • 1年ごとに、特に思い入れのある1冊だけ残す
  • 各ノートから数ページずつ切り取って、1冊の「成長記録ファイル」を作る
  • 数ページだけスマホで撮って、データで残す

全部を完璧に残そうとせず、未来の自分が「ああ、この時はこうだったな」と思い出せる「しおり」を残すイメージで整理してみてください。

まとめ:重視すべきは「今」と「自分軸」

今回は、絵描きの部屋に溜まりがちなモノを「今・未来・過去」の3つの時間軸で整理する方法を紹介しました。

整理の全工程を通して肝となるのは、「今の自分がどうしたいか」という自分軸で考えること。

  • 「今」:要・適・快を基準に、今の自分を助けてくれるモノを選ぶ
  • 「未来」:管理コストを考え、今の生活とのバランスの取れる分量に絞る
  • 「過去」:成長の軌跡として、データ化などを活用しつつ大切に保管する

「モノを減らすこと」そのものが目的ではありません。

本当に大切なのは、ガラクタを遠ざけることで「今の自分が、一番ワクワクして筆を執れる環境」を取り戻すことです。

そして断捨離に「正解」はありません。迷った時はこの記事をヒントに、まずはデスクの上のペン一本から、今の自分にふさわしいか問いかけてみてください。

片付けのスキルも、絵と同じで描けば描くほど(こなせばこなすほど)上達していきます。

部屋が整えば、心も動く。スッキリした部屋で、新しい一枚を描き始めましょう!

「要・適・快」など、考え方の言語化の参考にさせていただきました。お絵描きアイテムも、通常の断捨離と基本は全く同じです。

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