こんにちは、管理人の冬鈴みちです。
絵を描くのが遅い、1枚仕上げると燃え尽きて描けなくなる、ラフに時間がかかりすぎる、ポーズが硬くなる……そんな悩みを抱えていませんか?
私自身も長年、遅筆と燃え尽きがコンプレックスでした。
「上手い絵を描きたい」と時間をかけすぎた結果、いつも仕上がりの満足感を疲労感が上回り、絵を描くのがどんどん億劫になる……
しまいには「2ヶ月かけて1枚描いたら、その後数ヶ月は一切描かない」という悪循環に陥っていました。
そんな私が実践して効果を実感したのが、「ジェスチャードローイング」という練習法です。
この練習を取り入れてからは、
- 絵を描き始めるハードルが下がった
- ラフが時短できるようになった
- 躍動感の伝わる絵を描けるようになった
など、さまざまな変化を感じられるようになりました。
この記事では、ジェスチャードローイングの概要からメリット、実践例まで詳しくご紹介します。
同じような悩みでお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ジェスチャードローイングとは?
ジェスチャードローイング(略して「ジェスドロ」とも)とは、人物のポーズを短時間で素早くスケッチする練習法です。
具体的には、1ポーズ30秒~5分程度(標準は1~2分)。
時間を区切り、細部にはこだわらず制限時間内に全身を描き上げます。
「ジェスチャー(身振り・手振り)」を描く、という名の通り、対象のポーズや動きの「印象」を線で描いていくのが最大の特徴です。
対象を短時間で素早く描く、という点で「クロッキー」とよく似ていますが、一般的なクロッキーとはどのような違いがあるのでしょうか?
クロッキーは形やプロポーションの正確さを重視するのに対し、ジェスチャードローイングはそれよりも動きや印象を捉えることを重視して、モデルを見た時に「どう感じたか」を線で表現することを最も大事にしますよ!
やり方の参考に、オンラインお絵描き講座サービス「パルミー」がYouTubeにて無料公開している入門動画を貼っておきます。
とりあえずパルミーYouTube出張版の3本の講座を受けるだけでも、「ジェスチャードローイングとはどういうものか」はだいたい掴めるかと(私もほぼこれらの動画だけで実践しています)。
実際に私がこの講座を視聴しながら描いたものがこちらです。


正直、全身なんて1分で描けるわけないよ……と初めは思ってしまいます。
しかし、まずはとにかく簡略化して人体を捉えるところから始めること。
たとえ線一本しか描かなくても、その線でポーズの「印象」がなんとなく伝われば大成功!
それくらい「ハードルを低くして描く」練習法です。気楽に取り組みましょう。
解剖学的なことは一旦忘れる!誇張を加えてもOK!「見たまま正確に」ではなく「感じた通りに」描くのがジェスチャードローイングです。
1~2分で全身を描くだけ!紙と鉛筆、それとポーズ集とタイマーさえあればすぐに始められます。
YouTubeにはジェスチャードローイング用の動画チャンネルもあるので、そちらを活用するのも良いかと。
「GES DRAW PARTY」さん。20分程度で取り組めるジェスドロ動画が200本以上公開されています。
より詳しく知りたくなった場合は、講師の砂糖ふくろう先生の著書を読んでみるのもおすすめです。
描き方を丁寧に解説しながら砂糖ふくろう先生が熱く励ましてくれる入門書。


「動画で基本はだいたいわかった、発展的なやり方も知りたい!」なら、こちら。


ジェスチャードローイングをするメリット
ここでは、ジェスチャードローイングを続けることで得られる効果や、練習法としての良い点を、私自身の実践を交えつつ紹介します。
絵を描くハードルが下がる
私が一番変化を感じたのは、「絵を描くハードルが明らかに下がった」こと。
言ってしまえばジェスチャードローイングは、1~2分縛りで全身を描くという「無茶ぶり」です。
……まともに描けるわけないですよね。
でもだからこそ、粗削りでも気にならないし、失敗しても「仕方ない、また描けばいいや」と思えるようになりました。
絵を描く度に感じていた「ちゃんと描かないと」「失敗したら嫌だな」という重さも、いつの間にか薄れていったのです。
「ちゃんと描けない」前提の中で、些細な成功を見つけて自分を褒める。この小さな成功体験の積み重ねが、描く楽しさにつながっていきます。
継続の成功体験を積みやすい
ジェスチャードローイングは短時間で取り組めるため、習慣化しやすく、ウォーミングアップにも最適です。
「1分で1体だけなら」と始めた練習が、そのまま本作業へスムーズに繋がることもよくありました。
「今日も描けた」という小さな達成感は、モチベーションにもなります。
三日坊主常習犯の私ですが、約3ヶ月ほぼ毎日続けられました。
「1体でもいい」「最悪、線一本でもいい」と極限までノルマをゆるく設定していたのが良かったのだと思います。
「朝起きてすぐ」取り組むのが特におすすめ。
手を動かして目が覚め、「もう今日のノルマ達成!」と思うと一日気分よく過ごせます。
ラフを短時間で描けるようになる
ジェスチャードローイングは、短時間でラフを描く練習そのもの。
繰り返すうちに、本番絵のラフもスピーディーに・的確に描けるようになってきます。
「細かく線を重ねすぎて構図がぼやける」「清書したらなんか思ってたのと違う……」といった失敗も起きにくくなります。
特に、ラフに時間をかけがちな遅筆タイプには時短効果が大きいです。
動きの本質が掴めていれば、後からの微調整も楽になりますよ。
「伝わる」絵を描けるようになる
- 描いているうちにポーズが硬くなる
- なんだかキャラに生気がない
- 俺の推しはもっとこう……人間的な魅力があるはずなんだよ!(個性が伝わらない)
そんな悩みを持つ方にも、ジェスチャードローイングは効果的です。
動きのエネルギーや印象を捉える練習を続けることで、ポーズに躍動感と生命力が宿るようになります。
また、ポーズを少し変える応用力や誇張のセンスも養われ、キャラクターらしさや個性が伝わる表現力も育ちます。
「資料通りのポーズしか描けない」の克服にも有効ですね。
難しいポーズや全身画も臆さず描けるようになる
毎日ジェスチャードローイングを続けていると、自然といろんなポーズの全身を描く経験が積み上がっていきます。
その結果、「全身を描くのが当たり前」という感覚が身についてきます。
動きの印象を直感的に掴めるようになると、「棒立ちよりも動きのあるポーズの方が描きやすい」と感じることすらあります。
私自身、以前なら「難しそうだから描きたくない」と感じていた構図も、今ではそこまで身構えずに取りかかれるように。
これは私にとって、内面的な大きな変化でした。
「棒立ちやバストアップ構図ばかり」から卒業する、良いきっかけになります。


こちらのポーズ集を元に描きました。


ジェスチャードローイングを3ヶ月続けてみたら
では、私が実際にジェスチャードローイングを取り入れてからどのような変化があったのか、実践例で見てみましょう。
この練習法に出会ったのは2025年2月ですが、4月から約3ヶ月、習慣としてほぼ毎日取り組んでいました。
最初は(もっと言えば今でも)試行錯誤の連続ですが、少しずつ描き方や考え方が変わっていきました。
ジェスチャードローイングの変化
まずはジェスチャードローイング自体の変化を比べてみます。
左が私が初めて挑戦した時のもの、右が今同じ条件で描いたものです。
(パルミーのYouTube動画【特別講座DAY3】を見ながら液タブで描いています)




最初はとりあえず時間内に描くだけで精一杯、中にはつまようじ人間のようなものしか描けなかった……というものもありますが、今はポーズの流れまで意識して線を引けるようになってきました。
もう一例、アナログでも比べてみましょう。




左は毎日ジェスチャードローイングを始めたばかりの頃、右はその3ヶ月後です。
モデルは市販のポーズ集を使用。
どちらも1体2分ですが、実はBeforeのほうは制限時間内に描き切れず3分かけてしまっています。
制限時間できっちり描き切れるようになっただけでなく、線のなめらかさや迷いのなさもかなり変わったポイントではないでしょうか。
うまくいかなくて落ち込んだ時も、初めて描いた時のものと見比べてみると、少しずつでも着実に上達しているのを実感できます。
他人と比べず、過去の自分と比較するのが大事ですよ。
使用したポーズ集はこちら。
アイデアスケッチの変化
次に、昔描いたアイデアスケッチを今描き直すとどうなるか、試してみました。




「槍を振り回して戦う女の子」を描きたかったのですか、イメージにぴったり合う資料がなく2021年当時(左)はここで挫折してしまいました。
「描きたいシルエットのイメージからなんとなくポーズ取っただけ」で、どんな動きなのかもわかりませんね。
一方リメイク後(右)は、「数歩踏み込みながら槍を振り下ろし構え直す」までの一連の動作まで見えてきませんか?
参考資料は「どうしても動かし方や見え方がわからなかった上半身」の自撮りだけで、ここまで描けました。
ジェスチャードローイングによって、ポーズ資料の応用力や前後のモーションまで想像して描く力が身に付いたように感じます。
構図案のポーズの幅自体も広がりました!
まとめ
今回は「ジェスチャードローイング」について紹介しました。
ジェスチャードローイングは「ポーズが硬くなる」「資料通りのポーズしか描けない」「ラフに時間をかけすぎる」といった悩みに効果的な練習法です。
技術的な上達だけでなく、絵を描くハードルを下げてくれるメンタル面の大きなメリットもあります。
無理なく続けられるからこそ、描く習慣を取り戻したい人や、もっと気軽に描けるようになりたい人にぴったり。
「続けるのが難しい」と感じていた方も、まずは1日1体から、試しに始めてみてはいかがでしょうか。


