【短期合格者が教える】イラスト上達に繋がる「本当に効果的な」練習のための5つのルール

前回の記事では、「上達には、いつか基礎の習得が必要」ということを解説しました。

既にそれを実感して基礎練習に取り組んでいる方も、「どうせなら、もっと効率よく習得して短期間で上手くなりたい!」と思いませんか?

実は絵の基礎も、資格などのための勉強と習得のコツは全く同じ。取り組み方によって、知識の定着度と上達スピードは大きく変わります。

私自身、これまでに宅建や簿記などの資格試験を独学で、しかも短期間の学習で一発合格しています。

管理人が独学一発合格した資格と学習期間
  • 宅地建物取引士(知識ゼロから3ヶ月)
  • 簿記3級(1ヶ月)
  • FP3級(2週間)
  • 色彩検定2級(3級未所持から飛び級受検で1ヶ月)

しかし絵に関しては、基礎練習をしてもなかなか上達が実感できず、長らく伸び悩んだ時期がありました。

その違いを振り返ってみると、当時の絵の練習は資格勉強で絶対にやらない「非効率な取り組み方」をしていたことに気がついたのです。

「資格勉強と同じやり方」を意識して練習するようになってから、ようやく描いた分だけ上達に繋がっていると実感できるようになりました。

今回は、いくつもの資格を独学で短期合格した私がその経験を応用し、「絵の基礎練習をより効果的にする」ための5つのルールを解説します。

私自身の失敗も交えつつ、「勿体ない取り組み方」をしていないか、ぜひご自身の練習を見直してみてください。

管理人が最近読んだオススメ勉強本

目次

①目的と期限を明確にする

練習を始める前にまず決めておきたいことは、その練習の「目的」と「期限」です。

最適な練習を選び、目の前の課題に集中するために、「何を解決したいのか」「いつまでやるのか」をはっきりさせておきましょう。

ゴールは「解決したい課題」一つに絞り込む

資格勉強でいえば「試験合格」というゴールから逆算して、テキストのどこが重要なのかを判断します。

絵の練習も同じで、ゴールが明確でなければ最適な練習は選べず、途中でモチベーションも下がりやすいです。

「絵のクオリティを上げる」という大きな目標だけでは、具体的に何をやればいいのかわかりません。

「練習におけるゴール」を設定するためには、その「クオリティ」の面で何が課題であるのかを掘り下げて分析する必要があります。

資格取得のための「試験の概要や出題範囲の詳細」を知らなければ、何を覚えるべきかすらわかりませんよね。

三千花

それなのに、絵の練習では目的が曖昧なまま「とりあえずこれをやれば上達するだろう」となんとなく始めてしまいがちです。

スランプ当初の私は「とにかくデッサンだ!」と漠然と教本の初めから進めてしまい、本当に解決したい「顔の違和感」ではなく「体のプロポーション」を勉強するという、とんでもなくちぐはぐな遠回りをしていました。

これでは上達を実感できないのも当然です。まずは一度に解決できるレベルまで問題を細分化し、「特にこれを何とかしたい」と思う課題を一つに絞ることが大切です。

カヴァリエール

「最も優先的に解決したい課題」を明確にしてから、「解決に直結する手段」となる練習を選定しましょう。

「いつまでに習得するのか」の締切を設ける

練習を始める時には終わりのタイミング、「締切」も決めましょう。

期限がないと、どうしてもだらだらとやってしまいがちで、効率が落ちるからです。

締切は、集中力を高め、練習が目的化することや惰性で飽きてしまうのを防ぐ、強力なストッパーになります。

カヴァリエール

「いつか合格できればいいな」よりも、「もう次の試験に申し込んじゃった!勉強しなきゃ!」のほうが本気で頑張れます。

設定する練習期間は、なるべく1日~3日、長くても1週間程度にしておくのがオススメ。

この期間でできる範囲に内容を絞って区切りをつけることで、計画が立てやすく、集中力も最後まで続きやすくなります。資格勉強で章ごと・ページごとに区切って学習計画を立てるのと同じ考え方です。

三千花

アウトプットにも、制限時間を決めておきましょう。「練習絵1枚を全力で描き込みすぎて先に進まない」では本末転倒です。

1体1~2分の「超短時間」で印象を掴む練習。毎日のウォーミングアップにもGOOD!「習慣化」が目的でも、週に一度の区切りは継続やステップアップのために必要です。

②インプットの後は、必ず実践でアウトプット

教本や講座動画を見るだけで「やった気になって満足」していませんか?

知識の定着のためには、インプットとアウトプットをセットで行うことが不可欠です。学んだ知識はすぐに実践で試してみましょう。

使わない知識はあっという間に忘れてしまいますし、実際に手を動かして応用してみないと、知識の「使い方」を含めて理解と定着はできません。

完璧に仕上げた作品である必要はありません。「見るだけ」「お手本を丸写しするだけ」で終わらせず、簡単なものでいいので必ずその日のうちに自分の絵に応用してみてください。

資格試験でも、「すぐにアウトプット」が短期での合格に繋がった重要な戦略でした。

「間違えないようにテキストをじっくり読み込む」よりも「一通り解説に目を通したら、とりあえず練習問題を解いてみて間違える」ほうが何倍も効率的です。

間違えてみないと「自分が理解できていない箇所はどこなのか」を明確にすることができません。

カヴァリエール

勉強にも「自分の身の回りの出来事に当てはめて考える」というテクニックがあるように、インプットの段階から常に「この知識は自分の作品のどこに使えるか?」を考えることも重要です。

③できたこと・できなかったことは「言語化」して振り返る

制作や練習を「やりっぱなし」にせず、着実な上達に繋げるために、振り返りは不可欠な工程です。

練習の最後には必ず時間をとり、考えたことや感じたことを言葉にして記録に残しましょう。

この時、「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」の両方を書き出すのがポイントです。

「何が課題だったか」を言葉にする

自分が描いた絵を見て「どこが課題なのか」、そして「何故失敗したのか」を具体的に分析しましょう。

これらを言語化することで思考が整理され、次にやるべき練習の目的が明確に見えてきます。

こうして目的を定め、実践し、結果を分析して新たな課題を見つける。このPDCAサイクルを回し続けることが、効果的な練習の核心です。

さいとうなおき先生の「3ヶ月上達法」も、作品制作ベースでPDCAサイクルを高速回転させる上達法です。

また、うまく描けなかった絵は、恥ずかしいからと捨てたり消したりするのは勿体ない!

失敗作の横にメモを書き添えたり、直接手直しをしましょう(別の色で加筆するのがオススメ)。

それを見れば「次から気を付けるべきこと」が一目でわかるだけでなく、後の上達の可視化にもとても有効です。

カヴァリエール

資格勉強でも、自分の誤答自体は書き換えずに、隣に正解と解説、解き直しの過程のメモを赤ペンで書き加えます。これと同じですね。

「小さな成功」も意識的に記録する

失敗ばかりに目を向けていると上達を感じにくく、つらくなって挫折の原因となってしまいます。

「うまくいかなかったこと」だけでなく、毎回1つは「うまくいったこと」「挑戦できたこと」も見つけて書き留めてください。

絵は出来栄えがはっきりと数値化されないからこそ、意識的に言葉で「小さな成功を可視化する」ことが、モチベーションを保つ鍵です。

三千花

失敗ばかり見ていたらツラくなるのは当然です!自分を褒めることで、「できた→楽しい→もっとやろう!」の上達のスパイラルにも乗りやすくなりますよ!

『はじめてのジェスチャードローイング』の砂糖ふくろう先生も、このように自分を褒めることを「絶対にやってほしい」と著書で語っています。

また、成功体験を記録することは、「再現性のあるスキル」を身につけるためにも不可欠です。

「この線画はなぜ好評だったのか?」「この塗り方はなぜ綺麗に見えたのか?」という成功の理由を分析することで、その後の作品でも意図的にそのスキルを使えるようになります。

カヴァリエール

資格勉強でも「以前解けなかった問題を正解した」「模擬試験の点数が上がった」のような目に見える成果が、自信や楽しさに繋がりますね。

④練習が「目的」になっていないか、こまめに見直す

「ノートが綺麗な学生ほど、成績はよくない」といわれます。

これは、「ノートを綺麗に書く」という手段自体が目的となり、肝心の「内容の理解」や「要点の記憶」がおろそかになりがちだからです。

絵の練習も例外ではありません。練習が「目的化」してしまうと、いくら時間をかけても望む結果は得られなくなります。

あなたの練習は、次の落とし穴に嵌っていませんか?

  • 教本の内容を綺麗にノートにまとめることに時間をかけている
  • 骨や筋肉の名前を全て覚えようと丸写ししている
  • ドローイング1万体など、中長期的な「数」の目標を意識しすぎている
  • 同じ練習を1ヶ月以上、惰性で続けている

練習目標として具体的な数字があると気合が入りますが、これが「目標を達成することが目的になる」という大きな落とし穴になることがあります。

三千花

上手い人の言う「上手くなるまでの練習量の目安」それ自体は「目指すべき目標」ではなく、「上手くなる頃には、いつの間にか達成しているもの」と考えるのが良さそうです。

失敗談:惰性のクロッキーに潜む「目的化」

同じ練習ばかり延々と続けている状態は、惰性で「練習の目的化」に陥っている可能性が高いです。

私は素早く正確に形をとれるようになりたくて、何年もずっと「ポーズ集の10分クロッキー」ばかりやっていたことがあります。

しかし、そこまでの長期間を費やしたのに反して、大きく上達に繋がりませんでした。

なんとなく惰性で練習を続けているうちに、「練習している」という行為自体に満足し、本来の「素早く正確に形をとれるようになる」という目的を忘れてしまっていたのです。

努力を無駄にしないための見直しチェックリスト

あなたの努力を空回りにしないために、あらかじめ決めた期限を区切りに見直すことが非常に重要です。

以下の点に該当していないかチェックし、こまめに軌道修正しましょう。

  • 数の目標を達成することがゴールになっていないか?
  • 単純作業や用語の暗記で「勉強した気」になって満足していないか?
  • 今やっていることは本当に課題解決に直結することなのか?
  • 惰性や逃げで練習をこなしていないか?
カヴァリエール

短期習得に重要なのは「課題解決に直結すること以外やらない」こと。資格試験の勉強なら問題を解くことに注力し、ノートにはミスした部分の解説をメモするだけで十分です。

管理人が10年ずっと参考にしている美術解剖学の本。資料としてその都度必要な分だけつまみ読みがオススメ。筋肉の名前を知らなくても絵は描けるので、覚える時間でいろんなポーズに応用してみましょう。

⑤基礎を「手段」に:満点を目指さず、作品全体の底上げを優先

上達のためには、あえて「満点を目指さない」ことが重要です。

「満点」にこだわってしまうと、練習が非効率になるだけでなく、作品の最も大切な魅力までも損なってしまう場合があるからです。

確実に上達するための「満点不要」戦略

完璧にならないからと一つのスキルの習得に時間をかけすぎるのは、効率の良いやり方とはいえません。

資格試験では、満点を取るよりも「合格点を上回ること」が戦略上最も効率的です。膨大な時間のかかる絵の上達も、この「合格戦略」で考えましょう。

1. 全体のスキルレベルを底上げする

一つのスキル(たとえばデッサン)を極めるまで頑張るよりも、各スキル(構図、色使いなど)を全体的に「及第点まで底上げ」するほうが、作品の総合的なクオリティ向上に繋がります。

カヴァリエール

「40点を60点にする」のは簡単ですが、「80点を100点にする」のは時間がかかります。まずは全体の苦手分野を潰すことが最優先です。

2. 最も効果の出る部分にリソースを集中する

試験対策で「ヤマを張る」のと同じく、「今の自分が習得して最も効果が出るスキル」や「改善が絵の見栄えに最も直結する部分」を見極め、そこにリソースを集中させましょう。

作品中のほとんど見えない細部にこだわりすぎても、全体の出来にはほぼ影響しません。

三千花

注目しやすい部分ほど、その出来が絵全体のクオリティを大きく左右します。キャラクターイラストなら「顔」の優先度は特に高くなりますね。

一つのスキルや細部にこだわりすぎているなと気付いたら、一度立ち止まって作品全体を見返し、より優先すべき課題を見つけましょう。

基礎は「表現」のための道具である

「作品の魅力」という側面から見ても、理論的な「満点」に過度にこだわるべきではありません。

そもそもアートに「正解」は存在しないからです。

たしかに基礎は、作品の破綻を防ぎ、表現を伝わりやすくするための「手段」として必要です。

しかし、完璧主義で真面目に基礎習得に取り組むあまり、理論的な「正しさ」に囚われて、本来最も重視するべき「表現」をないがしろにしてしまうおそれがあります。

カヴァリエール

一つのスキルや理論的な正しさに固執して「表現の本質」を見失わないよう、要注意です。

私自身も、過去にこの落とし穴に嵌まりました。

デッサンにこだわりすぎた結果、なんとなく整っているだけの「何も伝わらない、つまらない絵」しか描けなくなってしまったのです。

この話は他の記事でも何度もしていますが、それくらい「上手さ」や「正しさ」にこだわりすぎたことが長期スランプの一因であったと強く感じています。

基礎を習得すること自体を目的にせず、必ず習得した「その先」の「何を伝えたいのか?」を意識することが、本当の「画力」を手に入れるために最も大切な心構えです。

まとめ:上達のコツは「練習の取り組み方」と「心構え」にあり

今回は、練習をより効果的にして確実に上達へ繋げるための、以下の5つのルールを解説しました。

  • 目的と期限を明確にする
  • インプットの後は、必ず実践でアウトプット
  • できたこと・できなかったことは「言語化」して振り返る
  • 練習が「目的」になっていないか、こまめに見直す
  • 基礎を「手段」に:満点を目指さず、作品全体の底上げを優先

やみくもに練習に取り組んでも、努力が空回りしてしまうだけです。

せっかくの努力を無駄にしないためには、方向性と手段がかみ合っていること、そして実践とフィードバックの両方を繰り返すことが重要です。これは資格勉強でも絵の練習でも共通しています。

ただ、絵の上達においては、「効率的にスキルを伸ばせばそれで良い」というわけではないということも、最後にお伝えしたい大切なメッセージです。

人生の中での「無駄」「ゆとり」といったものが、「表現の豊かさ」に繋がる側面もあります。むしろ、理屈では説明できない「非効率」を楽しむことこそ、アートの醍醐味であるといえるのかもしれません。

それを踏まえた上で、「今は基礎スキルを伸ばすターンだ」と決めた時には、ぜひ今回のルールを意識して取り組んでみてください。

あなたの努力を確実に上達に繋げ、血肉となった技術は、あなたの創作表現をより深く、自由に、そして豊かにしてくれるはずです。

前回の記事はこちら。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次